KOKAMI@network『僕たちの好きだった革命』
東京乾電池『長屋紳士録』札幌公演、大好評のうちに無事終了致しました。
お越し下さったみなさま、誠にありがとうございます。
いやぁ、現地での制作の仕事っちゅうのは、いわゆる劇団の制作ともまた違うんだねぇ〜
今回はそういう意味ですんごく勉強なった。もう身体と脳に叩き込まれたね、いろんな痛みと一緒に・・・
慣れない仕事に右往左往し、それでも周りの力を借りてようやくなんとかなった。
ひとまず公演が終わり(といっても、明後日にTPSの公演を控えているのだけれど)、今日は久々の観劇。
KOKAMI@network『僕たちの好きだった革命』@道新ホール
●あらすじ
激動の1969年、高校2年生だった山崎義孝(中村雅俊)は、校庭で自分たちの自由な文化祭の開催を宣言していた。ところが、突然機動隊の催涙弾を受けて意識を失い、長い眠りに陥ってしまった。30年もの長い年月を経た1999年、彼は目を覚ました。そして、高校2年への再入学を決意したのだった。
そこで出会ったのは、小野未来(片瀬那奈)や日比野篤志(塩谷瞬)、高島希(森田彩華)といった現代を生きる高校生たちだった。彼らは文化祭に憧れのラッパー(GAKU−MC)をゲストに迎えたいと願っていたが、学校側はそれを禁じていた。なんとか呼びたい・・・そんな思いをこらえてしまうみんなの気持ちを見つめる山崎。やがて・・・。(thirdstage.comより)
小さい頃、中村雅俊が出るドラマはやけに熱心に見ていた、何故かは知らないが。今思うと、不思議とハマっていた記憶がある。
最近あまり露出が少なくなり、忘れていたところもあったのだけれど、今回の舞台の主演で、しかも高校生役というニュースを聞きつけ、ふいに当時の記憶が甦った。私はなぜか中村雅俊が好きだ。
で、サードステージの舞台もまた、俺にとって思い出深く、久しぶりだ。
自分も都内の大学生のご多分にもれず、芝居を始めた当初、サークルの先輩たちから第三舞台の洗礼を受け芝居の世界にはまっていった身。第三舞台を封印中の現在でも、やっぱりサードステージ作品は気になるのよ。
加えて今作には大高洋夫や長野里美など、第三舞台全盛の頃のメンバーが出演するってんだから、気にならないはずがないっしょ。
※以下、一部ネタバレが含まれる箇所があります。
開演前から、ロビーにいきなり機動隊。そして機動隊なのに随分親切に席を教えてくれる(笑) 怖いんだか優しいんだか。
中村雅俊の学ラン姿。
見事なまでに違和感がある。むしろ違和感しかない。
最初見たときには思わず「ブッ!!!」とわかり易いくらいに吹き出してしまったのだが、アラ不思議、芝居の進行とともに違和感どころか「やっぱり中村雅俊は学ランじゃなくっちゃ〜」と意味不明な確信すら持ち始める。芝居の魔力か!?
『僕たちの好きだった革命』というタイトル通り、学生運動に関しての描写や革命がどうのという件はけっこう出てくるのだが、作品として革命的かと問われたら答えは「NO」だろう。むしろあらゆる演劇的な趣向をこらした、初めての人でも楽しめる上質な作品だ。
タイトルから、第三舞台時代のようなパワフルで過激なものを想像していたのだが、そういう意味では若干肩すかしをくらったような気がしないでもない。
それでも、作り手側の強い意志みたいなものが感じられるのは確かで、それは俺が昔『朝日のような夕日を連れて』を観て感じたときの頭を揺さぶられるような感じとは微妙に違うのだけれど、それ以上にシンプルで強力なメッセージみたいなものをぶつけられたように感じた。
それは学生運動に限ったことじゃなく、もっとシンプルな、生きることだの、そういった部分にまで及んでいて、見終わった後もそれを考えないではいられないような、不思議な強制力がいまも俺の頭の中に働いている。
この間NODA MAP『ロープ』を観た時といい、あの世代の演劇人たちなぜ今になって、こうも強いメッセージを表現し始めたのだろう。両者とも、演劇の中身はすごくシンプルになっているのに、意思の強さというか、そのイメージは逆に鮮烈に映し出されてきているようだ。
世の中に対し、どういうイメージを持ち、どう関わっていくのか・・・漠然とだけれども、いまそういうことを考えさせられている。
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